2012年5月23日水曜日

西部邁のススメ

僕がオルテガを読むに至ったのは、僕がいつも愛読させてもらっている西部邁先生の著書で度々 オルテガの話題が出てきていたからだ。

西部先生は ご存知の方も多いと思うが、日本を代表する保守思想家である。東大教授を経て、現在は在野で学問を教えておられる。経済学だけにとどまらず、思想、哲学、社会学など幅広い。そして、この人の話は何よりおもしろい。

「人生読本」「難局の思想」など彼の著書は一生懸命読んだ。いかに自分の知識が狭く、感性も鈍いかを痛感させられるが、先生のような智者とこうして会話(本を通して)できることを心から嬉しく思っている。

オルテガを読み始めてわかったことだが、西部先生の発言が今になってようやくわかったことも数々ある。時代の気流がどのような方向に流れ、それがどういった災を呼び起こしているのか。オルテガと西部先生の話を照らしあわせてみるとよく理解できる。

オルテガは、あくまでも抽象的に、どのような時代の人間が読んでも理解ができる言葉で書かれている。一方で 西部先生は、現代の日本人に向けた言葉で書かれている。

オルテガの大衆論をより深く理解するのであれば、西部邁の著書は絶対に必読である。